現在カート内に商品はございません。

【返品交換送料無料】WAREHOUSE(ウエアハウス)Lot 3063 1930'S WPA ONE POCKET PULLOVER FLANNEL SHIRTS(Lot 3063 1930'S WPA ワンポケット プルオーバー フランネルシャツ)Duck Digger ダックディガー DD ネルシャツ ネル シャツ ノンウォッシュ ヴィンテージ 日本製

29,700税込
商品コード: moonloid:10005878
WAREHOUSE(ウエアハウス)Lot 3063 1930'S WPA ONE POCKET PULLOVER FLANNEL SHIRTS(Lot 3063 1930'S WPA ワンポケット プルオーバー フランネルシャツ)Duck Digger ダックディガー DD ネルシャツ ネル シャツ ノンウォッシュ ヴィンテージ 日本製 ニューディール政策期、アメリカの世相を映した一枚。 1930年代、アメリカは1929年の世界恐慌の長い影響を受け、深刻な失業に直面していた。 こうした状況を打開するため、ルーズベルト政権は「ニューディール政策」と総称される一連の改革を推し進め、その中核として大規模公共事業「WPA(Works Progress Administration/後に Work Projects Administration)」を設立した。 WPA は失業者に直接仕事を与えることを目的とした、ニューディール政策最大規模の雇用創出事業であり、全米で数百万人の生活を支えた。 その一環として各州に縫製部門「WPA Sewing Rooms」が設置され、女性を中心とする多くの労働者が衣料の製造に従事した。 縫製室では軍務関連の衣料、行政職員向けの制服、子供服、修繕衣料などが製造され、支給品には「Made by W.P.A. Sewing Rooms, Not to Be Sold」(雇用促進局縫製室製品、売り物に非ず)と記されたラベルが縫い付けられた。 当時の地域紙には、裁縫師たちが「W.P.A.」を誇らしげに「We Patch Anything」(なんでも繕う)と言い換えていたという記録も残っており、困難な時代にあっても手仕事に誇りを持っていた姿がうかがえる。 大量生産体制が整う以前の、素朴で誠実な労働の気配がここには確かに存在していた。 WAREHOUSE は、こうした資料性を基に WPA の支給用ネルシャツを再構成。 Duck Digger(ダックディガー)は実物資料と文献、生地分析を手掛かりに、糸、生地、縫製仕様まで当時性を突き詰めるシリーズであり、このモデルにも1930年代特有の素朴で無骨な構造が丁寧に落とし込まれている。 デザインの要は、深いプルオーバー前立てと角度を付けた胸ポケットである。 「WPA の支給品」では工程と資材を抑えるため一つポケットの構成が多く、そうした合理性を踏まえたシンプルな表情が特徴となっている。 台襟を省いた襟、前立て先端の鋭い形状、直線的な袖付けなど、ミリタリーとワークウエアが交差した1930年代特有の構造が随所に見られ、現存資料で確認できるディテールを丹念に拾い上げた作りとなっている。 縫製仕様にも当時の特徴がはっきりと表れている。 一般的なワークウエアでは大量生産に適した「還縫い(折り伏せ縫い)」が主流だった一方、「WPA Sewing Rooms」の支給品では「本縫い」が多用されていたことが実物資料から確認されている。 手作業を基盤とする縫製室であったため、効率よりも確実性と堅牢性を重んじる仕様が選ばれており、肩・脇・袖といった負荷のかかる主要部の縫製にその特徴が顕著に現れている。 大ぶりのカフスボタン、袖口の補強ステッチ、背面ヨーク下の控えめな切り替えなどもその一例で、簡素だが誠実な当時の縫製室の仕事を感じさせる仕立てである。 首元に付く「WPA Not to Be Sold」の三角タグは実在した形式を基にしている(ただし、州や工房によって仕様に差異がある)。 生地には先染めフランネルを使用し、1930年代のネルに見られる粗野で乾いた質感を再現している。 ムラ糸によって織り上げることで生まれる控えめなコントラストと、起毛を抑えた表面のタッチは、当時の素材特性に基づく穏やかな色調を持つチェック柄を生み出している。 深いグリーンを基調とした配色、あるいはレッドを軸にした落ち着いた色合いのどちらも、実物資料から読み取れる糸色の揺らぎを踏まえて設計されており、裏面の起毛も均一すぎない仕上げが特徴だ。 生地設計そのものによってクラシックな表情を引き出した、資料性の高いフランネルとなっている。 大量生産と軍需が工場を覆う以前の、手作業の確実さと温度がまだ縫製現場に残っていた時代。 そこで生まれた衣服が持つ牧歌的で穏やかなぬくもりを、資料と実物に真摯に向き合う姿勢によって丁寧に掬い上げ、現代にそっと手渡した一枚である。 ■商品番号/ 3063
RANKING ランキング